早期回復のためのアイシング

 

マラソンのような長距離を走ると筋肉、靭帯や腱などが傷つきます。

 

程度に差はありますが足の組織は破壊されて炎症を起こします。炎症は腫れ、発熱、痛みなどの生体反応で傷んだ箇所を自然治癒するためのものです。炎症を一時的に止めることでより早く回復させるのがアイシングの目的です。

 


◆ 傷を治すための生体反応


細胞は毛細血管から酸素や栄養を受け取り、老廃物を送り返すことで常に力を発揮しています。


靭帯や筋肉が傷つけられるとこの細胞が壊れます。


細胞液(リンパ液)が流れ出したり、近くの毛細血管が切れて血液やリンパ液が流れ出る内出血状態になります。

 

 

まず、傷ついた細胞を安静に保つために痛みが出てきます。

痛みは感じをたくないので「動くな!」という神経からの命令がくるため、筋肉、腱は縮こまって固まってきます。

 

傷ついた細胞組織を修復するために栄養分を緊急輸送するため毛細血管が広がり温かい血液が多く流れ込んで手や指の温度が上がります。

 

そして、アミノ酸などの栄養分が集まり腫れてきます。

これらはすべて傷を治すための反応です。

 

しかし、この状態を自然に任せておくと組織に流れ出たリンパ液と血液はその圧力によって周囲の毛細血管を押し曲げ、正常な血液の流れを妨げます。

 

その結果、傷ついた細胞近くの元気だった細胞が酸素・栄養不足になり老廃物も溜まって次々と死滅していきます。

これを2次的低酸素障害と呼びます。



◆ 2次的低酸素障害を防ぐ方法!


2次的障害により傷ついた組織の周りの元気な細胞が死滅するのを防ぐのがアイシングです。これによって痛みを最小限に抑えて回復も早くなります。

なぜなら、冷やすことで細胞の新陳代謝のレベルが上がり、漏れだすリンパ液や血液の量が減るからです。しかも、冷やされて代謝レベルが低くなった細胞は、より少ない酸素や栄養で生き長らえるようになります。


これは冬眠する動物が体温を下げて代謝レベルを落とすことによって少ない栄養で生きるのにも似ています。さらに、冷やすことによって神経の伝達が悪くなり、痛みが和らぐと同時に筋肉や腱のこわばりも取れるため筋肉が収縮してさらに体液を押し出したり毛細血管を押し曲げたりすることを防ぎます。

血液やリンパ液のの流れをわざと悪くして漏れを止めたいので心臓より高い位置でアイシングした方が効果的です。

 


◆ ストレッチもしよう!


いくらアイシングをして回復を早めたとしても傷んだ組織の修復には少なくとも48時間くらいかかると言われてます。

 

パンプは筋肉中のリンパ液や血液がたくさん流れ込み、かつ乳酸など疲労物質がたまって膨張した筋肉によって血液の流れが悪くなった状態です。

 

 

筋肉の温度が上昇したまま戻らず、新陳代謝レベルもなかなか落ちずに疲労物質は溜まり続けます。こうなると翌日に疲れを持ち越し筋肉痛になります。アイシングだけでは不十分なのでストレッチもしっかり行いましょう。

 

ストレッチによって筋肉の張りを取り除き柔軟性を取り戻すと毛細血管への血液量が増しさらに回復が早くなります。